溺れた玩具 | 飴色の時間と記憶の彼方

溺れた玩具

彼女の手を解いた。
柔らかくなった彼女をベッドに乗せ、仰向けにさせる。
肢を開かせ、曲げ、手首と足首を左右それぞれ結びあげた。
その手首が固定されている足首から縄を伸ばし、ベッドの頭木に結びつけた。
温かく湿った下着は右足の膝下にかかったままだ。
こうするとその濡れ加減がはっきりわかる。
快楽を求めてため息まじりで口をひらき唾液を垂らしている、美しい彼女とは別の意思をもった生物のようである。

用意しておいた玩具を取り出す。
とりわけ美的ではないものをあえて購入しておいた。
鬱血した肌色とでも言おうか、少し紫がかった薄赤黒い色が卑猥である。
それは肉棒を模したものであるが、同時に芽核を刺激する突起がついている。
電動式でスイッチを入れるとくねるような動きと先端の細かな振動で
くぐもった大きめな音をたてる。

ドレッサーの鏡に彼女を向けた。
そして部屋の明かりを少しだけ明るくして、アイマスクを外した。
彼女は眩しそうに薄く目を開ける。

陰を指で広げる。芽核を剥き出すようにしてみせる。
彼女は息を殺して彼女自身の陰の部分を宙を見るような目で見ている。
その陰の部分の芽核に玩具をあて、スイッチを入れた。
と同時に彼女は眉間をひそめ、母音のような濁音のような声を上げた。
ヘッドホンのせいでこの玩具の音はあまり聞こえないだろう。
動きと振動だけが芽核を通じて快楽として与えられる。

さらに淫らな液が溢れてくる。
このグロテスクな玩具をこの秘貝の奥底まで差し込みたい欲求。
もっとよく見えるように角度を変えて、ゆっくりと、
深々と、二人で凝視しながら。。。。。
玩具の根元まで差し込んでいった。